「パ・タ・カ・ラ」の発音や、口周り・舌を動かすためのリズム体操に取り組みました。

パソコンに映し出される可愛らしいイラストやキャラクター(「うめさぶろう」など)に合わせて、子どもたちは口を大きく動かしています。
発音のリズムに合わせて、声を出すことから始めました。




2. カエルの歌で口腔体操
親しみのある「カエルの歌」のメロディやリズムに合わせた口腔体操も行いました。



動画を見ながら、歌ったり口の形を真似したりして、遊び感覚で口腔機能を高めていきました。
口腔体操のねらい
画面に集中しながら動画の口の動きを真似ています。


スタッフと一緒に声を出すことで、リラックスした楽しい雰囲気で進められていました。
発語や食べる・飲み込むために必要な口・舌・喉の筋肉を鍛えるとともに、みんなで一緒に活動する楽しさを味わうことを目的としています。

発語がうまくいかない、あるいは発音が不明瞭になる背景には、単に「おしゃべりが遅い」ということだけでなく、いくつかの要因が根底に関わっていることが少なくありません。
主な原因として、以下のような点が挙げられます。
1. 口腔・運動面の要因(構音器官のコントロール)
口腔感覚・運動の未発達
舌や唇、あごを動かす筋肉や、それを自分のイメージ通りにコントロールする神経の働きが未発達な場合があります。そのため、特定の音がうまく出せない(例:「サ行」や「カ行」の置き換わりなど)状態が続きます。
口腔内の感覚の過敏・鈍麻
口の中の感覚が敏感すぎて触られるのを嫌がったり、逆に鈍感で自分の舌や唇の位置を正しく把握しにくかったりすることが、発音の不明瞭さにつながることがあります。
2. 聴覚認知・音声情報の処理の要因
音の聞き分け(聴覚弁別)の難しさ
耳の聞こえ(聴力)に問題がなくても、脳で言葉の音を正確に聞き分けて処理する力が弱い場合があります。似たような音(「パとバ」「タとカ」など)の区別がつきにくいため、自分の発音も不正確になりがちです。
聴覚的ワーキングメモリの制限
耳から入った長い言葉の情報を一時的に頭の中で保持し、それを分析して理解・記憶する力が弱いと、自分の発話を組み立てるのが難しくなります。
3. 言語・認知面の要因
語彙や文法の獲得の遅れ
言葉の引き出し(語彙)が十分に育っていない、あるいは主語や述語のつながり(文法)を理解するのが苦手な場合、伝えたい思いはあるものの、適切な言葉の形で外に出すことが難しくなります。
概念形成の未熟さ
「物事の名前」と「その実態」が頭の中で十分に結びついていない場合、言葉が出てきにくくなります。
4. 社会的コミュニケーション(対人面)の要因
他者意識や「伝えたい」というモチベーションの特性
自閉スペクトラム症(ASD)などの特性がある場合、「相手に何かを知らせるために言葉を使う」という社会的動機づけが希薄なことがあります。自分の興味のあることや独り言は流暢に話す一方で、他者との双方向のコミュニケーションの場面では発話が少なくなるケースが見られます。
共同注意の困難さ
相手と同じものを見て、楽しさや驚きを共有する「共同注意」が苦手な場合、言葉を通したやり取りが育ちにくくなります。
5. 感覚統合や心理・環境面の要因
感覚の偏りによる過負荷
周囲の音や光などの刺激に圧倒され、脳のエネルギーがそちらに奪われてしまうと、言葉を話す余裕がなくなってしまうことがあります。
不安や緊張
自分の発音への不安や、うまく話せないことへのプレッシャーから、緊張して余計に声が出にくくなったり、どもり(吃音)のような症状が見られたりすることもあります。
支援アプローチの視点
これらは単一の原因で起きているとは限らず、いくつもの要因が複雑に絡み合っています。そのため、支援にあたっては以下のような視点が大切になります。
本人の「伝えたい気持ち」を大切にする
発音の正確さを厳しく指摘するよりも、まずは「言いたいことを受け止めてもらえた」「通じた」という成功体験を積み重ねることが、コミュニケーションへの意欲を引き出します。
視覚的な支援の活用
耳からの情報だけでは理解しにくい場合、イラストや写真、文字、ジェスチャーなどを併用することで、言語の理解や表出をスムーズにサポートできます。