低学年施設から高学年施設や活動へステップアップしていく際、環境や人間関係の変化に対する不安を減らし、お子さんが無理なく楽しんで移行できるよう「段階的なアプローチ」を取り入れた活動を行っています。
1. 「知っている仲間」と「得意な遊び」からスタート
まずは低学年のお子さん同士、顔馴染みで日頃から安心感のあるお友達と一緒に、全員がルールを理解しやすく抵抗なく楽しめる「ドッチビー」を行いました。柔らかいディスクを投げ合って伸び伸びと身体を動かす中で、緊張も自然と解け、笑顔があふれる時間となりました。







2. 「思いやりのある優しい先輩、おとなしめのお友達」が輪に入るアプローチ
安心感が作られたところで、高学年施設から年下のお子さんに対して上手に声をかけたり、配慮や誘導ができるお子さんを招きます。
優しいお友達が寄り添ってくれることで、新しい存在に対する抵抗感が和らぎ、活動へとより自然に溶け込むことができるのがねらいです。


3. 低学年施設活動から運動施設の活動へとつなげる。
最終段階として、高学年で日常的に活動しているお友達を交えて一緒にドッチビーを楽しみました。スモールステップで無理なく慣れていくことで、「新しい環境=楽しい場所」として捉えることができ、互いに笑顔でボールやディスクを追いかける活気にあふれた時間となりました。





どうしても、高学年のお子さんの迫力に抵抗を感じたり、予期せぬチョッカイをかけてくるお子さんを見ると、低学年のお子さんからすれば、受け入れがたく困惑している様子も見られますが、今後は、双方にどう接していけば良いのか、スタッフもお子さんも学習していく良い機会にもなっているようです。

最初は少し心理的ハードルを感じる環境であっても、段階を踏むことで苦手意識や拒否感を減らし、「気づいたらみんなと楽しく遊べていた!」という成功体験を育んでいます。
【本活動の療育的・発達支援的な意義】
発達障害や発達に特性のあるお子さんにとって、環境や集団の規模、人間関係が変化することは、大きな不安やストレス(移行のハードル)になりやすい側面があります。本実践には以下のような重要な支援の意義が含まれています。
1. 脱感作(不安の段階的軽減)と成功体験の創出
「見知った仲間・安心できる種目(ドッチビー)」から始めることで、安心感をベースにした成功体験を重ねられます。新しい要素を一つずつ足していくことで、変化への心理的抵抗を小さく抑えられます。
2. ピア・サポート(子ども同士の助け合い)の醸成
配慮や誘導が得意な高学年の児童を意図的に配役・配置することで、年上の児童にとっては「年下を思いやる・リーダーシップを発揮する」経験になり、年下の児童にとっては「ロールモデル(手本)への憧れや安心感」につながります。
3. 「移行スキル(環境変化への適応力)」の獲得
一度「段階を踏めば新しい集団や場所にも馴染めた」という経験(移行のやり方)を覚えることで、今後の進級や進学、新しい集団活動への適応においても、不安をコントロールしながらステップアップしていく自信が育まれます。
4. スモールステップによる「受容域」の拡大
無理に一度に馴染ませるのではなく、受容できる範囲(遊べる相手・遊べる場)を少しずつ広げていくことで、集団の中でイキイキと自分らしく過ごせる生活環境の幅が広がっていきます。