ワーキングメモリーにつよくなる活動
ワーキングメモリ(作業記憶:情報を一時的に脳内に保持し、同時に処理する能力)を鍛えることは、学習の土台(板書を写す、算数の文章題を解く、指示を一度に聞いて行動するなど)を強くするために非常に有効です。
脳の負担を減らしつつ、遊び感覚で楽しく鍛えられる具体的な活動やゲームを紹介します。
お家でもやって見てくださいませ。
- 日常・遊びの中で鍛えるゲーム
道具不要で、
特別な教材を使わなくても、普段の会話やスキマ時間にできるゲームとして、逆唱ゲーム(バックワード)
✳️ 大人が言った言葉を、後ろから逆に言わせます。
(例)大人:「りんご」 ➔ 子ども:「ごんり」
(例)大人:「7・3・9」 ➔ 子ども:「9・3・7」
みつばちでは写真や物を描いて視覚と聴覚で記憶しながら逆唱ゲームを進めます。






✴️ポイント
脳内で文字や数字をいったん「並べてキープ」し、それを「操作」するため、ワーキングメモリの強力なトレーニングになります。
✳️「あと出し」ジャンケン(負けて・あいこで)
大人が出した手に、子どもが「あと出し」でわざと負ける
またはあいこにする
ゲームです。
✴️ポイント
「相手の手を見る」「勝敗のルールを思い出す」「自分の手をコントロールする」という複数の処理を同時に行う。
✳️記憶の積み上げゲーム(買い物ゲーム
前の人が言った言葉を覚えて、自分の言葉を足していきます。
(例)「スーパーに買い物に行きました。
バナナを買いました」➔「バナナと、メロンを買いました」➔「バナナと、メロンと、牛乳を買いました」
✳️ツールやカードを使ったゲーム
視覚的な要素が加わることで、イメージを脳内に保持する訓練になります。
トランプの「神経衰弱」
定番ですが、ワーキングメモリ(カードの位置と数字の保持)をフル活用する最高のゲームです。
ナンプレ(数独)やクロスワード
「ここに3が入るから、こっちは5かな?」と、いくつかの仮説を頭の中にキープしながら解くため、高学年の子におすすめです。
✳️ 運動と組み合わせた活動(認知運動トレーニング)
体を動かしながら頭を使う活動は、脳の血流を促し、ワーキングメモリを含む「実行機能」を最も活性化させると言われています。
コトバ・アクション
「赤と言ったらジャンプ」「青と言ったらしゃがむ」「黄色と言ったら拍手」などのルールを決め、大人の指示通りに動きます。
慣れてきたら「赤と言ったら青の動き(しゃがむ)」のように、ルールをあべこべにすると難易度が上がる。
✳️ステップ・リズム遊び
音楽や手拍子のリズムに合わせて、特定のステップ(前・後ろ・右・左)を踏みます。ステップのパターンを頭に記憶しながら、体の動きをコントロールします。

ワーキングメモリ(作業記憶)とは、脳の脳内にある「一時的なメモ帳」のような機能です。情報を短い間だけ保持し、同時にそれを処理する役割を持っています。
このワーキングメモリを鍛えたり、上手く活用して「強くなる」ことには、日常生活から仕事、学習面まで非常に多くの大きなメリットがあります。主なメリットをいくつかの視点に分けてご紹介します。
🩷1. 業務効率と生産性の向上
ビジネスや日々の作業において、ワーキングメモリの強さは直結した成果となって現れます。
- マルチタスクや状況変化への柔軟な対応: 「Aの作業をしながら、急に入ってきたBの電話に対応し、その後スムーズにAの作業に戻る」といった、いわゆるタスクの切り替えがスムーズになります。「あれ、さっきまで何してたっけ?」というタイムロスが減ります。
- 指示や段取りの正確な理解: 複雑な指示や、複数のステップがある作業手順を一度で頭の中で整理し、組み立てることができるため、ミスや聞き返しが減ります。
- 集中力の維持とノイズのカット: 今やるべきことに意識を集中させ、周囲の雑音や余計な雑念(マルチタスクの誘惑など)をシャットアウトする能力が高まります。
🩷2.的確な意思決定と問題解決
ワーキングメモリは、高度な思考を支える土台です。
- 論理的な思考ができる: 複雑な問題に直面した際、「原因A」「現状B」「予測される結果C」といった複数の要素を同時に頭に浮かべながら、それらの関係性を整理して最適な答えを導き出せるようになります。
- 感情のコントロール(冷静な判断): ワーキングメモリに余裕があると、予期せぬトラブルが起きても「感情的になってパニックになる」のを防ぎ、一歩引いて冷静に状況を分析する心のゆとりが生まれます。
🩷3.コミュニケーション能力の向上
対人関係や、会話・文章のやり取りの質も向上します。
- 会話の文脈を捉える: 相手が話した内容を頭に留めながら自分の意見を組み立てられるため、会話が脱線せず、相手の意図を汲み取った深いコミュニケーションが可能になります。
- 要約力と伝える力の向上: 長くて複雑な文章を読んだり話を聞いたりした際、重要なポイントを瞬時に抽出して、他人に分かりやすく説明できるようになります。
🩷4.学習効率の最大化
新しい知識をインプットする際のスピードと定着率が変わります。
- 読解力の向上: 文章の前の章で書かれていた内容を頭に保持したまま読み進められるため、難解な技術書や長文の報告書でも、全体の構造を理解しやすくなります。
- 「短期記憶」から「長期記憶」へのスムーズな移行: ワーキングメモリ内で深く処理された情報は、脳の引き出し(長期記憶)に定着しやすくなります。結果として、新しいスキルや知識の習得が早くなります。
- ワーキングメモリは「脳の机の広さ」
- ワーキングメモリが強いということは、「広くて整理整頓された机」を持っているようなものです。机が広ければ、たくさんの書類を広げて効率よく作業ができますが、狭いと1つの書類を置くだけで手一杯になり、ミスが起きやすくなります。
ワーキングメモリは、年齢、ストレス、睡眠不足などで一時的に機能が低下することもありますが、日々の習慣(タスクの視覚化、メモの活用、良質な睡眠、有酸素運動など)によって、そのキャパシティを補ったり、脳の働きをサポートしたりすることが十分に可能なのです。