奈良・橿原の地に静かに佇む真言宗の古刹「おふさ観音寺」
その境内を彩るのは、四季折々に咲き誇る薔薇の花々。その芳しき香りと優美な姿は、訪れる人々の心を魅了し、日常の喧騒を忘れさせる静謐な世界へと誘います。



毎年春と秋の薔薇の最盛期にあわせて催される「バラまつり」は、1995年の初開催より今や恒例の風物詩となり、数千種にも及ぶ薔薇が寺域を華麗に染め上げます。境内一面に咲き競う薔薇は、まさに絵巻物のごとき光景。中でも、住職の篤い思いと丹精によって育まれたイングリッシュローズは、気品ある花姿と豊潤な香りでひときわ人々の心を打ちます。






この寺に咲く薔薇は、単なる観賞の対象にとどまらず、四季を通じて人々に寄り添い、心と身体に癒しと活力をもたらすことを願って育てられています。色彩と香りの調和に満ちた境内は、歩むたびに心を澄ませ、穏やかな時間の流れを体感させてくれる特別な空間です。



また、薔薇のほかにも、梅雨の時季には紫陽花が静かに彩りを添え、境内に吊るされた大小の提灯が風に揺れ、池ではメダカや錦鯉が優雅に泳ぐ姿が見られます。そのすべてが繊細な調和のもとに息づき、訪れる者の五感を深く潤してくれるのです。
















おふさ観音寺で出逢う景色は、ただ美しいにとどまらず、心の奥深くに静かに降り積もるような崇高な趣をたたえています。そのひとときは、まさに祈りと自然が交差する、かけがえのない時空間といえるでしょう。



おふさ観音寺を後にして、楽しみにされていた久米町の公園に出向きました。











公園の遊具は、感覚統合を促すために非常に効果的な環境を提供します。
- 前庭覚(バランス感覚)の刺激と発達
ブランコ
揺れる動きは前庭覚を強く刺激します。前庭覚は、重力に対する体の位置、頭の動き、バランスを感知する感覚であり、姿勢の安定、眼球運動、注意力の維持に深く関わっています。ブランコで遊ぶことで、過敏性のある子には感覚の調整を、鈍麻性のある子には適切な刺激を与えることができます。
すべり台
高いところから滑り降りる際の加速と減速は、重力に対する体の変化を感じさせ、前庭覚を刺激します。また、バランスを取りながら姿勢を保つ練習にもなります。
回転遊具
回転する動きは、前庭覚を非常に強く刺激します。適度な刺激は、平衡感覚を養い、めまいへの耐性を高めるのに役立ちます。
- 固有受容覚(体の位置と動きの感覚)の向上
うんてい・のぼり棒
自分の体重を支え、体を持ち上げたり、手足を使って移動したりする動作は、筋肉や関節にかかる圧力を感じさせ、固有受容覚を強く刺激します。これにより、自分の体の位置や動きを正確に把握する能力が養われます。
ジャングルジム
複雑な構造を登ったり降りたりする中で、手足の協調性や、どこに体を置けば安定するかといったボディイメージを形成するのに役立ちます。
ブランコ(漕ぐ動作)
自分の力でブランコを漕ぐことで、腕や脚の筋肉にかかる負荷を感じ、固有受容覚が活性化されます。
- 触覚の多様な経験
砂場
砂の感触、固さ、温度の変化など、様々な触覚刺激を得られます。砂を握る、スコップで掘る、砂山を作るなどの活動は、手先の感覚を養い、触覚防御がある子どもにとっては、感覚の過敏性を軽減するのに役立つことがあります。
遊具の素材
木、金属、プラスチックなど、遊具によって異なる素材に触れることで、多様な触覚経験が得られます。
芝生や土の上
靴を脱いで裸足で歩くことで、足裏からの触覚刺激を直接感じ、感覚受容器を刺激できます。
- 視覚と聴覚の統合
追いかけっこや鬼ごっこ
動く相手を追いかけたり、呼ばれる声を聞いて反応したりする中で、視覚と聴覚、そして運動能力を統合する練習になります。
広い空間での遊び
公園という広い空間で遊ぶことで、遠近感や空間認識能力が養われます。他の子どもたちの動きや音を認識し、自分の動きを調整する中で、視覚と聴覚の統合が促されます。
- 協調運動とプランニング能力の発達
様々な遊具の組み合わせ
ブランコからすべり台へ移動したり、ジャングルジムを登ってからうんていへ挑戦したりと、複数の遊具を組み合わせて遊ぶことで、体の各部位を協調させて動かす能力(協調運動)が向上します。
遊びの計画
どのように遊具を使うか、次に何をするかといった遊びの計画を立てることは、運動のプランニング能力(運動企画)を養う上で重要です。
- 社会性とコミュニケーションの促進
他児との交流
公園には他にも子どもたちがいるため、一緒に遊んだり、順番を待ったりする中で、社会的なルールやコミュニケーションスキルを学ぶ機会が得られます。これは、感覚統合の課題からくる社会性の困難を乗り越える手助けにもなります。
模倣学習
他の子どもが遊具を使っているのを見て、遊び方を学ぶこともあります。
✳️公園の遊具は、遊びながら自然な形で感覚統合を促すための宝庫です。
様々な遊具に触れ、体を動かすことで、前庭覚、固有受容覚、触覚、視覚、聴覚といった多様な感覚を統合的に刺激し、調整する機会を提供します。これにより、姿勢の安定、ボディイメージの形成、運動能力の向上、注意力の改善、そして最終的には社会性や学習能力の向上にもつながります。子ども一人ひとりの感覚特性に合わせて、無理なく楽しめるような環境が大切ですね。