みつばちでは、日常生活に必要な様々な動作を練習しました。
この日、取り組んだのは、靴ひもを結ぶ、洋服のボタンを掛け外し、ファスナーを開閉する、リンクの紐を通す、そしてホックのはめ外しといった課題です。
靴の紐通しでは、紐を穴に通すことはできても、最後の蝶々結びで苦戦するお子さんが多く見られました。













指先を細かく使う蝶々結びは、要領も含めて、子どもたちにとって少し難しいようです。









一方、ホックのはめ外しやボタンの掛け外し、ファスナーの開閉は、比較的スムーズにできるお子さんが多く、上手に指先を使っていました。









また、リンクの紐通しは、小さな穴に紐を通すという繊細な作業が求められるため、こちらも難しい課題でしたが、子どもたちは集中して頑張っていました。

これらの練習を通して、子どもたちは指先の巧緻性や集中力を養い、日常生活に必要なスキルを少しずつ身につけています。できたこと、難しかったことを一つひとつ経験することで、自信にも繋がっていくことでしょう。

お子さんが、ファスナーの開閉、ボタンのとめ外し、靴ひも通しと蝶々結び、フック紐通しなどの練習をすることは、日常生活スキルの向上だけでなく、様々な面で大きなメリットがあります。以下にその主な点をまとめました。
- 日常生活スキルの自立:
- これらのスキルは、着替えや靴の脱ぎ履きといった日常生活に不可欠な動作です。練習を通してこれらのスキルを習得することで、周りの人に頼らずに自分でできることが増え、自立心を育むことができます。
- 自分でできることが増えることで、自己肯定感が高まり、自信を持って生活できるようになります。
- 微細運動能力の発達:
- ファスナーの小さな金具を掴む、ボタンを小さな穴に通す、靴ひもを細かく操作する、紐を小さな穴に通すといった動作は、指先や手のひらの細かい筋肉(微細運動)や、目と手の協応動作を必要とします。
- これらの練習を繰り返すことで、微細運動能力が向上し、手先の器用さが増します。これは、他の学習活動(書字、図工など)や日常生活の様々な場面においても役立ちます。
- 集中力と持続力の向上:
- これらの作業は、ある程度の集中力と、最後までやり遂げる持続力を必要とします。
- 最初は難しいと感じるかもしれませんが、練習を続けるうちに少しずつできるようになり、達成感を味わうことができます。この経験を通して、粘り強く物事に取り組む力が育まれます。
- 段階的な課題への取り組み:
- ファスナー、ボタン、靴ひも、紐通しは、それぞれ難易度が異なります。お子さんの発達段階に合わせて、簡単なものから徐々に難しいものへとステップアップしていくことができます。
- 小さな成功体験を積み重ねることで、難しい課題にも意欲的に挑戦する気持ちが育まれます。
- 感覚統合の発達:
- これらの動作は、視覚、触覚、固有受容覚(体の位置や動きを感じる感覚)など、様々な感覚を統合して行う必要があります。
- 練習を通して、これらの感覚がスムーズに連携するようになり、感覚統合の発達を促す効果が期待できます。
- 社会性の向上:
- 自分で身支度ができるようになることで、集団生活への参加がスムーズになり、周りの人に迷惑をかけるのではないかという不安を軽減することができます。
- また、「自分でできた!」という喜びを周りの人と共有することで、コミュニケーション能力や社会性の発達にも繋がります。
- 将来的な生活への準備:
- これらのスキルは、大人になっても必要となる基本的な生活スキルです。幼い頃から練習しておくことで、将来的に困ることなく、自立した生活を送るための基盤を築くことができます。
- 発達に何らかの問題を抱えておられるお子さんの場合、得意なことと苦手なことの差が大きいこともあります。焦らず、お子さんのペースに合わせて、根気強く練習を続けることが大切です。スモールステップで目標を設定し、できたことを褒めてあげることで、お子さんの意欲を高めながら、これらの重要なスキルを習得していくことができるでしょう。