川上村・中井渓谷自然塾で、あまごのつかみ取り体験をしました。


毎年恒例でお子さんたちには人気のイベントになっています。
澄み渡る渓流の水は、山々に降り注いだ雨を含み、いっそう透明度を増して流れていきます。

あいにくの雨模様ではありましたが、そのしっとりと濡れた木々の葉や岩肌が、かえって自然の瑞々しさと静謐な美を際立たせ、あたりは幻想的な趣に包まれていました。
いよいよあまごの掴み取りです。

水中に放たれたあまごは、目にも留まらぬ速さで泳ぎまわり、子どもたちはその一尾を捉えんと、夢中で手を伸ばし、ようやくの思いで手の中に収めたかと思えば、あまごは瞬時に跳ね上がり、指の隙間をすり抜けて再び水中へと姿を消していきます。






慌ててつかみなおそうとするも、その滑らかなぬるぬるした体と俊敏な動きに翻弄され、容易にはいきません。
それでも、ついに一尾をしっかりと掌におさめた瞬間、子どもの顔には誇らしさと歓喜が入り混じった笑みが広がり、周囲には歓声が湧いていました。












自然とふれあい、命を感じ取るこのひとときは、子どもたちの心に深く刻まれる事でしょう。

✳️自然塾での活動は、沢山のメリットがあります。
🐟感覚統合の促進
川上村の清流でのあまご掴みは、多様な感覚刺激を子どもたちに提供します。水の冷たさ、石の感触、あまごのぬるぬるとした手触り、水の流れる音、鳥の声、木々の匂いなど、五感をフル活用する体験は、感覚統合を促す上で非常に有効です。特に、特定の感覚に過敏さや鈍感さを持つお子さんにとって、自然の中での予測不能な感覚刺激は、脳の処理能力を高め、感覚のバランスを整える手助けとなります。
🐟安定した情緒と集中力の向上
自然の中で過ごす時間は、子どもたちの情緒を安定させ、集中力を高める効果があります。都市部の喧騒から離れ、川のせせらぎや鳥のさえずりの中で活動することで、ストレスが軽減され、心が落ち着きます。あまごを捕まえるという明確な目的を持つ活動は、子どもたちが目の前のことに集中し、注意を持続させる良い機会となります。これにより、学校や日常生活での集中力の向上にも繋がります。
🐟社会性とコミュニケーション能力の向上
あまご掴みは、通常、グループで行われる活動です。子どもたちやスタッフの先生との協力、成功体験の共有を通じて、社会性やコミュニケーション能力を育むことができます。捕まえ方のアドバイスをしたり、捕まえたあまごを見せ合ったりする中で、自然と会話が生まれ、協調性が養われます。また、苦手なことや困ったことを他者に伝える練習の場にもなり得ます。
🐟自己肯定感の育成と達成感
自分の力であまごを捕まえるという経験は、子どもたちにとって大きな達成感となり、自己肯定感を高めます。
特に、普段の生活の中で「できた」という経験が少ないと感じている発達障害児にとって、五感を使い、体を動かして目標を達成する体験は、自信を育む上で非常に価値があります。成功体験を積み重ねることで、「自分にもできる」という肯定的な感覚が育まれます。
🐟運動能力と身体認識の向上
川の中を歩き、あまごを追いかける動作は、バランス感覚や協調性など、様々な運動能力を養います。不安定な足場を歩くことで、体の使い方や重心の移動を意識するようになり、身体認識の向上にも繋がります。また、水中で素早く動くあまごを捕まえるためには、手と目の協応動作も必要となり、微細運動能力の発達も期待できます。
🐟自然への理解と生命尊重の精神
川上村の豊かな自然に触れることで、子どもたちは自然への理解を深めます。あまごという生き物に直接触れることで、生命の尊さや生態系の仕組みを肌で感じることができます。これは、座学では得られない貴重な学びであり、将来にわたって自然を大切にする心を育む基盤となります。
川上村の自然塾でのあまご掴みどりは、子どもたちが、感覚統合、社会性、自己肯定感を自然な形で育み、心身ともに健やかに成長するための、素晴らしい機会となれば嬉しいです。