広島大学の研究グループが開発した「メカノケミカル法」による水素製造技術は、従来の水素製造法とは全く異なる革新的な手法です。
従来の水素エネルギー開発の弱点、高温、高圧、高コストで二酸化炭素を排出し、エネルギー効率も低いを大きく改善した持続可能な水素エネルギーの開発技術が広島大学で可能になりました。すごい事です。予測された開発ではなく、偶然にも生成に成功したものらしいです。
🌠メカノケミカル法とは?
メカノケミカル法とは、固体材料に機械的なエネルギー(粉砕、せん断、圧縮など)を加えることで、化学反応を引き起こす技術です。広島大学の研究グループは、このメカノケミカル法を応用し、水と金属(特にチタン)を反応させることで、効率的に水素を生成することに成功しました。
🌠従来の水素製造法との違い
従来の水素製造法は、高温・高圧の環境下で、化石燃料を原料として水蒸気改質反応などを行うものが主流でした。しかし、これらの方法は、大量の二酸化炭素を排出し、エネルギー効率も低いという課題がありました。
一方、広島大学のメカノケミカル法は、以下の点で従来の水素製造法と大きく異なります。
- 低温・低圧での反応: 室温付近(30~38℃)という低温で反応が進行するため、エネルギーコストを大幅に削減できます。
- 二酸化炭素を排出しない: 水と金属のみを原料とするため、二酸化炭素を排出しません。
- 海水を利用可能: 海水からでも水素を生成できるため、資源の制約が少ないです。
- チタンを活用: チタンは海水中に豊富に存在し、比較的安定な金属であるため、持続可能な水素製造に貢献できます。
メカノケミカル法の原理
メカノケミカル法では、ボールミルと呼ばれる装置を使用し、金属粉末と水、粉砕ボールを容器に入れて粉砕します。この粉砕によって、金属表面に非常に活性な状態が生成され、水と反応して水素が発生します。反応の過程で、容器内で高温・高圧のホットスポットが生成され、そこで熱化学サイクルによる水素生成反応が繰り返し起きます。また、超臨界水が瞬間的・局所的かつ連続して生成し、水素製造を大幅に加速させます。
メカノケミカル法の利点 - 高い水素生成効率: 従来の水素製造法に比べて、高い効率で水素を生成できます。
- オンサイト・オンデマンドでの水素製造: 小規模な装置で水素を製造できるため、必要な場所で必要な時に水素を供給できます。
- 環境負荷の低減: 二酸化炭素を排出しないため、地球温暖化対策に貢献できます。
今後の展望
広島大学の研究グループは、メカノケミカル法のさらなる高効率化と実用化を目指して研究を進めています。この技術が確立されれば、持続可能な水素エネルギー社会の実現に大きく貢献することが期待されます。
参考資料 - 広島大学:【研究成果】世界初、水素の高効率製造法!高温・巨大施設での製法が、室温・実験室でも可能に:https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/88327
- 広島大学:【研究成果】メカノケミカル法を用い、精密に光触媒を合成するプロセスを開発~環境低負荷で簡便なプロセスによる可視光活性光触媒の合成を実現~:https://www.hiroshima-u.ac.jp/news/65922